白浜鴎インタビュー:「テクノロジーであれ魔法であれ、その使い方には選択の自由がある」
『とんがり帽子のアトリエ』の世界では魔法について厳しい「ルール」がありますが、もし白浜先生がこの世界でココと同じ状況におかれたら、ルールを破って魔法を使ってしまうでしょうか。
たしかに『とんがり帽子のアトリエ』の世界には絶対的なルールがありますが、つねにその範囲で魔法を使うのはむずかしいでしょうし、ルールがつねに適切とも限りません。つまり、ときには魔法が必要になるわけです。たとえば、眉毛のお手入れで魔法が使えれば私だってルールを破ってしまうかもしれません(笑)。それに、肩を温めてコリをほぐすなど、魔法で体の痛みを和らげられればとても助かるでしょうね。
もし魔法が使えるようになったら、最初にどんなことがしたいですか。
魔法が使えるとしたら、瞬時に別の場所に行ける「窓」を使いたいですね。そうすれば、あっという間にスペインに移動して楽しく過ごすことができます。今日は疲れたなぁと思ったら、「そうだ、スペインへ行こう!」と扉を開けて、ここに来るわけです(笑)。
ドラえもんの「どこでもドア」みたいですね!
ええ、私にとり『ドラえもん』は最高のインスピレーション源です!
魔法のアイデアはどこから得ていますか?
ふだんから、意識的にいろいろなタイプの作品に接しています。マンガも小説もたくさん読み、いろいろな映画やドラマシリーズも観て、そのすべてがインスピレーション源となっています。
たとえば、最近では『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズを観ていましたし、子供向けシリーズもよく観ています。そこから今の子供たちにどんなメッセージが出されているか確かめた上で、自分の作品に込めるメッセージを考えていきます。
メッセージという言葉がありましたが、『とんがり帽子のアトリエ』では登場人物が「魔法使い」と「知らざる者」に分かれています。本作を通じて読者にどんなメッセージを伝えたいですか。
それは簡単にまとめることはできませんし、だからこそ長いストーリーの形をとっています。とはいえ、本作をみていくと「魔法は人々を幸せにするためのもの」というフレーズが何度も登場します。これが重要なポイントのひとつといえると思います。
現代社会をふりかえれば、テクノロジーについても同じようなことが起こっています。いい使い方もあればよくない使い方もあり、ときには相手を傷つけたり抑圧したりするために使われることもあります。そこには無数の選択肢があり、テクノロジーであれ魔法であれ、我々には選択の自由があるのです。私としては、こうしたツールができるだけ人を幸せにする方向で使われることを願っています。
たとえば、お互いを傷つけ合うための武器を生産するのではなく、人を幸せにするようなマンガやアニメ作品をひとつでも多く生み出す方がいいのではないかと思います。
魔法の使い方を教えるキーフリーとオルーギオはまったくちがうタイプですが、白浜先生が魔法を習うとしたら、どちらから習いたいですか。
どちらもそれぞれにバランスのとれた性格にしたので、どちらか1人を選ぶのはむずかしいですね。それに、先生は一人につくよりも複数の先生についてそれぞれの特性から学ぶ方が、長期的によい結果をもたらすと思います。
生徒にもいろいろなタイプがいます。アトリエに入るなら、だれと友だちになりたいですか。
たぶんテティアと仲良くなれる気がします。テティアも私もおもしろいことが大好きなので、気が合いそうです。反対にアガットには、うるさいといって怒られそう(笑)。
でも、生活スタイルはオルーギオが近いかもしれません。食べたり飲んだりすることが大好きで、朝寝坊をして、夜遅くまで働いていると(笑)。
各登場人物に、先生ご自身の性格が少しずつ反映されているといえるでしょうか。
もちろんです!
2025年に公開される『とんがり帽子のアトリエ』について、コメントをお願いします。
アニメ化にあたり、いろいろな側面で直接監修に関わらせていただくことができました。ぜひお楽しみに!
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